ドラえもんの映画

小さいころにドラえもんの映画を観に行った。

実家は結構な田舎町で、映画の見れるイオンみたいな複合施設までは車で1時間半くらいかかった気がする。

僕はそのドラえもんの映画を見に行くのが楽しみで楽しみで、朝6時には起きて顔を洗って歯を磨いてご飯を食べて、親に「いつでもいけるぞ!」ってオーラを漂わせていた。でも親からすると、付き添いでドラえもんの映画を見に行くなんてことに特別な意気込みなんか何もないわけで、ゆっくり起きてご飯を食べて、それなりに身支度をして、のんびりさあ行こうという感じだった。僕はそわそわと急いで急いでとせがんで、あんまりにもゆっくりとした親の動きに不満と焦燥感を覚えていた(僕は焦燥感という単語が好きです)。

たしか土曜日か日曜に行ったので道路がなかなか混んでいて、母親が「映画の上映時間には間に合わないかもね~」なんて言い出した。僕はひどくショックに感じてしまった。僕は楽しみに楽しみにしていた映画をちゃんと初めから見れないのが嫌で嫌で、車の中で「ちゃんと最初から見たかった」「もう帰りたい」「もう行く意味がない」なんて恨み言を言いながら半べそになってしまった。

結局は到着予定時間よりも5分か10分遅れただけで、映画もちょうどOPテーマが流れたくらいで見始めることができた。

大人になってから考えると全く問題ないのだろうけど、楽しみにしていたものが十全に満喫できないという悲しさや不安みたいなものにひどく敏感で、ああ自分は小さい頃から神経質だったんだなあと思っていやな気持になった。

今も映画を見るときには開始15分前には必ず着くようにしているし、チケットもできれば事前予約して真ん中あたりの席を取れるようにしている。

勝手に大きな期待を膨らませておいて、それが叶わないと勝手にひどく落ち込むというどうしようもない性質は全く良くない、どうにかしましょう。

あとドラえもんよりしんちゃんの映画の方が面白い、オトナ帝国は最高。