なにもwkrn

・得体のしれない夏が男性を迸らせていたら、まあなんて破廉恥なんでしょう、と冬が窘めていた。それをみた秋がつばを吐き捨てる、どうやら秋は酷く四季を嫌悪しているみたいだ。春はというと、一人暁を覚えておらず、オーストラリアでは全てが反転している。最高の南半球にしような、俺も頑張るからさ。女性はニッコリとうなずいた。

 

美味しんぼを連続で60巻位読んでいたら気が狂い、自律神経は失調し、海原雄山のように総髪の獅子になってしまった。

獅子なので動物園に入れられたが、そこで出される生肉はひどい品質で食べられたものではない。みるみる内に痩せ衰えてしまったが、動物園側は「美食の獅子」と喧伝する。どうにか餌を食べさせようとしてもどの肉も口に合わない。

すると、山岡なる新入りの獅子が生肉を持ってきた。なんたることか、その山岡の出した肉はとても美味く鮮烈で芳醇、一本線の通った肉なのだ。やっと餌が食える!と喜んでいると客達が騒いでいる。「人食い獅子だ!」「蛮獣だ!」「殺してしまえ!」の大喝采。

わたしに肉が届けられることは無くなり、かわりに毒ジャガイモが山のように置かれた。馬鹿な、肉食の獅子がジャガイモなんて食べるものか、毒が入っていることだって食べずとも匂いでわかる。しかしこのままでは飢えて死ぬことには変わりはない。私は美味しんぼを60巻も一気に読んだ事を嘆きながら究極のジャガイモを丸のみにして、巻を追うごとに可愛くなくなる栗田さんを走馬灯に観ながら事切れたのだった。

 

・でも自由って切なくないですか?